森林文化科の紹介
森林文化科概要
- 所属:認定NPO法人 シニア自然大学校調査研究部門 研究部
- 設立:2004年4月
- 活動日:毎週金曜日
- メンバー:19人(2024年度)
私達の活動理念
森林は、我々人類にとって豊かでかけがえのない、大切な共有されるべき自然です。 私達はこの豊かな森林を次の世代に引継ぐため、叡智を結集し、先人と森林との関わりを尊重し、 自然と共生して行動をする事を目指します。私達の目標
- 私達は、長い年月を掛けて変化してきた森林や植物を観察し、先人の森林との関わりの歴史を尊重し、 森林との交流の中で生まれた文化を学び、森林から感動と喜びをもらう事を目指します。
- 私達は、地球の自然環境と森林の役割について学び、他の組織とも連携して、森林の保護・保全活動に参加し 地域社会に貢献する事を目指します。
- 私達は、里山の維持管理に関与し、里山再生に貢献して里山の大切さを訴え、地域社会に貢献する事を目指します。
- 私達は、市民や子供達の自然への親しみを図り、自然と共に生きる事の大切さ、環境に対する想いを深めていく 活動に参加し地域社会に貢献する事を目指します。
活動内容
- 森林整備活動
森林整備活動は私たちの活動の主体となるものです。森林を良好な状態に保つためには関連する知識を深めるとともに継続的に 整備活動を実施する必要があります。私たちは環境を守るという自覚を持って、私たちでできる範囲の活動に取り組んでいます。 同時に活動を通じて健康と自然と触れ合う楽しみを得ています。現在4つの場所で森林整備活動を実施していますが 各フィードでの取り組みについては下記森林整備活動の項をご覧ください。
- 調査・研究・学習活動
森林整備活動とともに各フィールドではそれぞれ調査活動を実施しており、それらをまとめて毎年研究部の 発表会で発表しています。最近では、ナラ枯れ、展葉調査、ヒノキの適地は?、樹木の肥大成長、 竹林から広葉樹林への転換、サクラ山の「見える化」を図る、などのテーマを取り上げました。 また、毎月1回は研究部主催の講演会に出席したり、科独自の勉強会も実施しています。
- 自然観察会
月1回は自然観察会を実施しています。植物、特に樹木の観察だけではなく広く文化的・歴史的な施設の見学も実施しています。最近ではメンバーの好みを反映して山に行くことが多くなりました。 また年1回は宿泊研修で見聞を広めるとともに親睦を深めています。
- 社会貢献活動
森林文化科の主たる活動である森林整備活動は、それ自体社会貢献活動の一環であると考えますが、それ以外にイベントに参加し、
自然環境教育活動を通じた社会貢献にも取り組んでいます。イベントでは、我々の特徴を生かした丸太切り体験、竹切り体験や自然工作などを楽しんでもらっています。
同時にパネル展示とミニ講座も実施して参加者、特に子供たちに森林や環境に関心を持ってもらうことを目的として活動しています。
森林整備活動
当初三重県の通称木村山のみでスタートした森林整備活動は、現在は4か所のフィールドに増え、それぞれの場所に応じた活動をしています。 なお、木村山での活動は2015年に終了しています。
- 山田池公園 大阪府枚方市、2007年9月~
- 高貴寺 大阪府河南町、2010年6月~
- 天王山 京都府乙訓郡大山崎町、2014年9月~
- 大阪教育大学 柏原キャンパス 大阪府柏原市、2014年12月~
山田池公園森林復元活動
山田池公園東山地区は、府民の立ち入り禁止地区として長い間放置されてきました。 そのため孟宗竹が進入し、日の射さない暗い林に変化し、わずかに残ったコナラなどの落葉広葉樹やモチツツジなど も駆逐されてしまうことが憂慮されました。春日山地区もハチクや雑草が繁茂していました。 森林文化科は、次のような景観を取り戻すことを目標に活動しています。
- 東山西部地区 里山の景観を残す雑木林として復元させる。
- 春日山地区鎮守の森の景観を残す、照葉樹林として復元する。
高貴寺山林整備活動
高貴寺は、大阪府河南町平石にある高野山真言宗の名刹で、
その縁起によると、1200年前、役小角によって開創されました。
江戸末期最大の宗教学者と呼ばれた慈雲尊者は28年間
このお寺にて修業され、そのお墓も境内にあります。
周辺の社叢林を見ると、スギ・ヒノキが植林された人工林は、
間伐や枝打ちがされないままで日のささない暗い森林になっており、
サクラ・ケヤキなどが植林されたサクラ山も放置されて
サクラの花も開花せず、人が立ち入るのも困難な状態でした。
私たちはお寺と相談の上、下記を目標とした活動を実施する
ことにしました。
【人工林】間伐や枝打ちなどを実施し明るい林床の人工林を目指しています。
天王山周辺森林整備活動
天王山周辺はもともと筍の産地であったこともあって、放置竹林の森林への侵入が目立っています。 影響は顕著で森林の機能が失われることが危惧されています。
私たちはこの地域の一画で、荒廃した竹林を広葉樹の森へ復活させることを試みています。
広葉樹がせっかく実生から育ってもそのままではシカに食害されてしまいます。経済的でしかも景観に配慮した鹿よけ柵を設置し、
その中でサクラを始めとする広葉樹の植樹や育成を進めています。今年(2024年)春、実生から育てたサクラ苗木に花が咲きました。
大阪教育大学里山整備活動
大阪教育大学柏原キャンパスの森林部分は人手が入らずヒサカキが大部分を占め暗く荒廃した雑木林になっていました。 これをラン科やユリ科が優占する里山の景観を目指し整備を実施しています。また、この区画に隣接する区画でも新たに整備を始めました。