高貴寺山林整備活動

2025年8月8日

  • 天候:曇り
  • 参加者:13名

本日の作業の経緯

 2024年10月11日の活動後、2025年1月・3月・5月に予定していた施業は、降雪・降雨の為中止となった。従って今回の施業は約10か月ぶりの作業となる。

本日の作業の目的

  1.   ご住職から施業の依頼のあった3カ所
      (奥の院まわり、磐船神社への参道沿いの
      斜面、飛地にある放置山林)に足を運び、
      現状を確認する。
  2.   磐船神社への参道沿いの(スズ竹密生地)で、
      矢野智徳氏提案の「大地の再生」手法
      および現地での杉本圭子氏の助言に従い、
      実際に(風の道)を作成する。




作業結果

朝 礼

リーダーから本日の作業の目的と作業内容の説明を聞き、ラジオ体操を行った後、奥の院に向かった。

ラジオ体操
奥の院へ
奥の院まわりの現状確認
  • 「大地の再生」の手法に則った(水脈溝)が、3月28日に訪問した際より深く掘られ、(点穴)も適宜設置されていた。
  • 奥の院前の崩壊ヵ所に手が入った形跡はなく、草が繁茂し「現状の手法を継続して今後想定される崩壊が防げるのか」 との疑問の声が多く出た。
  • 5月3日に林道作成のスペシャリスト吉野林業の岡橋氏が来所され高貴寺山門から奥の院までの重機進入路の作成 が議題に登ったが、まだ着工の痕跡は見られなかった。
磐船神社につながる参道沿いのスズ竹密集地で(風の道)の作成に着手した
飛地にある放置山林の現状確認
遠景
  • 放置山林は圧倒的にヤブ化が進んでいた。
  • 風が良く通り、森の多様性人手と時間が必要。
  • 今後は、参道での(風の道)の作成に注力したいと思う。







終礼後のミーティング
意見交換会
  • 終礼後(風の道)作成を実施した際の感想などを
    話し合った。
  • 科員からは反省点、疑問点等活発な意見が出たが
    (風の道)や「大地の再生]手法に関し疑問や改善案も 
    多く出された。
  • そこで9月5日の勉強会で手法を再検討する
    こととした。




2025年9月19日

  • 天候:晴
  • 参加者:13名

本日実施した作業

スズ竹密集地A、Bで「風の道」・「水脈溝」・「点穴」の作成を行った。
(スズ竹A)エリアでは「水脈溝」と「点穴」を作成した。
8月8日に作成した「風の道」の中央部に
溝を掘り、溝の中にスズ竹の幹を並べ
約5mの「水脈溝」を作成。
深さ20~30cmの穴を掘り、スズ竹の幹と
枯葉および持参した消炭を投入して6カ所の
「点穴」を作成。
(スズ竹B)エリアでは「風の道」を作成した。
befor
after

1年ぶりに人工林に分け入り「子供の丸太切用ヒノキ」を2本伐採し持ち帰った。


その他
山腹で見つけた石塔
  
水脈溝」や「点穴」作成時に掘削した際、20cm下で岩盤に遭遇
岩盤が露出している個所もあり。「大地の再生」への影響は?

2025年10月10日

  • 天候:晴
  • 参加者:10名

本日実施した作業

奥の院への新たな道路の着工を確認した
 奥の院へ工事用車両が
 侵入するために、新た
 に道路を新設する工事
 が始まっていた。
 2名の作業員が、エン
 ジンカッターで樹木を
 伐採していた。
スズ竹密集地A、Bで「風の道」の作成を行った。
  • 参道との取り合い部を起点とし、尾根の頂上へ繋がる「風の道」の作成を目指した。
    参道と斜面との取り合い部
     
    尾根での風の道
       「斜面の下から森の奥に向かって、各自が感じる場所に「風の道」を造れば、
       森の奥に風が通る」という杉本先生の助言に従い急な斜面での作業にも挑戦した。
       風が通ることにより山全体の生態系が変化してくることを「見える化」する為
       適宜番号を付けて現状写真を撮った。


  • みんなでひたすら「風の道」を作成しました。

2026年1月9日

  • 天候:晴
  • 参加者:12名

午前中の活動

3グループに分かれて活動を行った。

  1. 参道沿いの斜面に「風の道」を作成する。
    • 活動計画
      • 現状は、山林の上部のスズ竹密集地には「風の道」を作成できたが、下部参道際の スズ竹密集地に一部未着手の個所があるので、「風の道」を仕上げる。
      • もし時間があれば、3月6日に今季最後の施業日があるので、スズ竹密集地以外の 山林斜面に「風の道」の作成が望ましい箇所がないかの調査を行う。
    • 実施記録
      • 参道際から斜面中腹に作成している「風の道」へ向けて2本半の「風の道」を新設し、前回作成した2本の「風の道」に対しては手を加えて成形し仕上げを行った。
      • 「参道沿いのスズ竹密集地に「風の道」を作成する」目標については、斜面の勾配が急峻で 危険なため作業が出来ない箇所を除いて、ほぼ完成することができた。
      • スズ竹密集地以外の斜面に「風の道」を作成した方がいい箇所があるか否かについては、今後現地に踏み込んでみて現状を調査し確認する必要がある。
整備前
整備中
  1. 山裾のU字溝のない箇所に「点穴」を試作する。
    • 活動計画
      • ご住職からは「U字溝には、ところどころ底に穴を開け水を抜きたい」との発言が あったが、既設構築物に手をかけることは避ける。
      • 今回は、U字溝の無い箇所に対しU字溝が埋まっていてもいなくても位置を工夫して 「点穴」の設置が出来ないか、にチャレンジしてみたい。
    • 実施記録
      • 参道と斜面の接点でU 字溝が見えていない箇所を選び、「点穴」用穴が掘削できるかを 試掘してみた。
      • 試掘の結果、U 字溝は埋まっておらず、岩盤も出てこなかったが非常に硬く、掘るのが困 難であった。
      • 直径30cm 深さ30cm 程度の穴を掘削して、枯れ枝や枯葉や持参した炭を撒いて「点穴」 を作成することが出来た。今後も場所を変えて「点穴」にチャレンジしてみたい。
      • 今回は2m ほどの間隔で4 カ所の「点穴」を作成したが、斜面の水はけを考えるならば 参道自体にうまく水が流れるような勾配や仕組みが必要と思われる。
    • 試掘
      点穴
      点穴
  1. サクラ山整備の準備を行う。
    • 活動計画
      • 12月5日に開催された勉強会で、「サクラ山については今後も管理が必要」との方針が決定した。科員からは「雑草が増えサクラが咲かないようにならないか懸念」とか「このまま放置すべきではない。管理状態にすべき」などの意見も頂戴している。
      • 今回は、(サクラ山の現状を確認する)ことを目的とし(「見える化」のために調査した地域以外のエリアを含めてサクラ山全体の現況)や(作業道の状況)等を調査し、今後の「サクラ山の整備方針の立案」につなげていきたい。
    • 実施記録
      • サクラ山への作業道は落ち葉に埋もれ、階段の横木は部分的に腐食が進んでおり、勾配のきついところは補修が必要。
      • かって治療した樹木も含め、非常に多数のサクラ木にコウヤク病が発生していた。治療が必要との意見があった。
      • ヒサカキ・アオキ・ツバキなどの雑木やササなどが大きくなっていた。刈りこむ必要性については意見が分かれた。参考のため吉野山に行き見学したいとの提案もあった。
      • サクラの密度が高く箒状の樹形で花付が悪いのではとの意見や、間伐を考えてはという意見や、幹の途中で伐ってヒコバエが出れば枝が広がるのではという意見があった
      • 樹木に括り付けている番号札が老化して見にくく、取付の紐が幹に食い込んでいるものがあった。対処が必要。
      • サクラの樹木の間にはカシ類など雑木が大きくなっているところもあり、下層植生を含めサクラ山全体の姿をどうするかを考える必要がある。そのためにも開花時期に観察が必要。
      • 意見の異なった事項については、勉強会等で科員の意見も伺いたい。
    • コウヤク病
      下草
      作業道
    • (追記:人工林)
      • 人工林下部に枯れたヒノキが残っており伐採が必要。
      • 人工林の下層植生の育成について、①間伐が必要 ②間伐しても日が差し込まないので下層植生の育成は期待できない ③人工的な土砂流出対策も考えられるが大掛かりになり現実的でない 等の意見が出された。
      • 人工林の区画に使用したロープは不要なら撤去が必要との指摘有。

午後の活動

午後からは、ご住職の立ち合いのもと科員全員で(飛地にある放置山林) に行き、この放置山林の整備に関する懸案事項についてご住職から説明を受け、質疑応答を実施した。

  • 実施記録
    1. 飛地の範囲の確認
      • ご住職が持参された「高貴寺の土地」を明示した敷地図から、我々の整備対象になる (放置山林の範囲)が思いのほか狭いことが分かった。
      • トタン塀の内側約2mが高貴寺の所有している山林
    2. 山林の現状の確認
      • 高貴寺が所有する(放置山林)のエリアが当初予定していた山林全体でなく、田畑と 区画されたトタン塀に沿った幅約2mのエリアであったため、ササとツルでヤブ化している状況が塀際から目視確認できた。
      • 境界のトタン塀
        ヤブ化の状況
    3. ヤブ化の整備方法の確認
      • 今回現地を確認し、以下の整備方針を決定した
        1. 整備はトタン塀に沿って幅2m程度のエリアに対して実施する。
        2. 上記エリアのツル・ササ・小灌木は根元から皆伐する。
        3. 伐採した植物はトタン塀の外に出さず、高貴寺敷地内の斜面に積み置く。
    4. 入山ルートの確認
      • トタン塀の両端に2か所の開口部があり、そこからトタン塀の内側に入れることが分かったので、施業時には2班に分かれ両端の開口部から入山し、削タン塀に沿って中央に向かって伐採を進めることとする。

今回実施した現地調査の結果を反映し、2026年3月6日に予定されている今期最後の整備計画を立案したいと考えている。