観察会記録(2023年10月度)
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御破裂山から飛鳥へ歴史散策ハイキング



観察会 : 2023(令和5年)年10月6日(金)  時間 : 9時40分〜14時30分  天候 : 晴れ

コース : 桜井駅→(バス)→多武峰バス停→談山神社→談山→御破裂山(昼食)→念誦崛分岐→
      念誦崛→万葉展望台→石舞台古墳→(バス)→飛鳥駅又は橿原神宮前駅

コース・タイム :
      桜井駅南口9:45発→(バス)→10:08多武峰バス停下車→10:27談山神社→10:57談山
      →11:13御破裂山12:03念誦崛→12:35万葉展望台(昼食)13:10出発→
      13:35ゲート(休憩)13:40出発→14:12石舞台古墳→14:30石舞台バス停解散

参加者 : 11名


<観察会概要>

 朝940に桜井駅に全員が集合後、すぐに駅南口にあるバス停に移動し945発の談山神社行きに乗車。約20分ほどで多武峰バス停に到着。バスを降りるとすぐ目の前にある屋形橋を渡る。寛政3年(1791)の刻銘があり、国学者の本居宣長は「うるはしき橋あるを渡り」と菅笠日記に記している。橋を渡り樹齢数百年を思わせる大木を右に見ながらしばらく歩くと、談山神社の東大門が見えてきた。両袖付きの高麗門で本瓦葺きの立派な門だ。苔やマメヅタに覆われた石垣を見ながら参道をすすむと左手に重文の摩尼輪塔があった。摩尼とは宝珠のことで上円部に梵字が刻まれており鎌倉後期の名作でここでしか見られない珍しいものだそう。

屋形橋 談山神社の東大門 摩尼輪塔


談山神社本殿
 参道沿いお土産屋さんを過ぎると右手に談山神社の鳥居。受付で入山料(一人600円)を納めたあと長い階段をのぼり先ずは本殿へ。談山神社の起源は、藤原鎌足の長男が父の供養のために建立した妙楽寺であり江戸時代までは神仏混合の寺で、明治になって談山神社として独立した。木造十三重塔(重文)は軒反りが際立っていて、とてもお洒落な佇まいだった。その奥にパワースポットの龍神社がありその横手が登山口だ。

十三重塔
 山道の長い階段を10分ほど登ると談山(かたらいやま)に到着。藤の花の盛りの頃、中大兄皇子と藤原鎌足が飛鳥の法興寺で行なわれた蹴鞠において出会い、この談山で蘇我入鹿の暴虐について極秘に談合されたとの事。頂上には「ご相談所」と書かれた石碑があった。そこから更に10分ほど登ると御破裂山(618m)に到着。山頂には藤原鎌足の墳墓があり、古くから国家に不祥事がある時に「神山が鳴動した」とされている。 
「ご相談所」の石碑 藤原鎌足の墳墓
 ここで昼食予定だったが時間が早かったので、更に西大門方面へ。整備された林道でとても歩きやすい。途中、アケビが鈴なりになっているのを発見。思った以上に甘くて、みんな「タネばっかりや〜」と言いながらもプープー種を飛ばしつつ秋の味覚を満喫。
 しばらく歩くと、二上山や耳成山方面が眺望できるビューポイントがあった。ずっとひんやりした眺望のない木立ちの林道を歩いてきたので、空の青さと相まってとても気持ちの良い眺めだった。そこから10分ほど下ると西大門方面との分岐があり、右側の明日香方面へと進む。ここからは車も通る広い林道で三社神社を左に見ながら進むと、今度はムカゴを発見。生でも食べられるというので早速生のムカゴに挑戦。特に美味しいというわけでもないけれど、噛んでいると山芋のネバネバも感じられて、ここでも秋の味覚を堪能。
 西大門の分岐から15分ほどで念誦崛(ねずき)分岐の看板があった。分岐を右に進むと目の前には150段の石段があり、お腹が空いているせいもあり?皆さんハーハー言いながら登る。平安時代の高僧である増賀(そうが)上人を埋葬したと伝えられるもので、ドーム型のユニークな二段石積塚となっている。
 ここから更に30分ほど木々に囲まれた林道を進んで万葉展望台に到着。ここで少し遅い昼食。左手には葛城連山や二上山、正面には大和三山などが点在する飛鳥の里が一望できる。秋晴れの良い天気だったので二上山の雄岳の右奥にはあべのハルカスも確認できた。

 昼食をすませ1310に出発。ここからは少々荒れた急な下りが20分ほど続き、獣害防止のゲートを越えてホッとしたところで小休止をした。
 上居地区の案内板の横に三体の石仏があり、左へ進む。そこからは緩やかな舗装された下り道で、眼下には稲穂が実った棚田の風景が広がり、これぞニッポンの原風景という感じ。道沿いには手入れの行き届いた柿畑があり、コスモスや彼岸花など秋の草花も目を楽しませてくれる。

 そうそう!カエルやヤマカガシ、ヤマトシジミにも会いました。そして、14時過ぎ石舞台古墳に到着。石舞台が見下ろせる高台に上がり石舞台をバックに集合写真。10人のナイスミドル!(ミドルは盛りすぎかな?(^^)いずれにしても、皆さんすてきな笑顔です。

 そのあと、14:30に石舞台バス停で解散。

 少し前までの猛暑日がうそのように清々しい秋晴れの一日でした。木陰では冷たく感じるくらいの風が吹き抜けて心地よく、歴史と秋の実りを満喫できたハイキングでした。
アキチョウジ マメヅタ ツルアリドオシ ゲンノショウコ ヤブマメ
ヒガンバナ(赤) ヒガンバナ(白) 何カエル? ヤマカガシ ヤマトシジミ
  歩行距離 8.4km  上り 378m 下り 637m
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