観察会記録(2023年8月度)
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青山高原と三重県林業研究所見学バスツアー



観察会 : 2023(令和5年)年8月18日(金)  時間 : 7時55分〜16時50分  天候 : 曇り時々晴れ

コース : 梅田大和ハウス本社前→青山高原三角点→奥山愛宕神社のブナ林→三重県林業研究所見学→大阪着

コース・タイム :
      大阪梅田7:55→針テラス9:30→青山高原山頂小屋パーキング10:30着→10:40ブナ林へ出発
      →奥山愛宕神社11:20→山頂小屋パーキング11:55着(昼食)→青山高原三角点12:20→
      山頂小屋パーキング12:30→13:00三重県林業研究所14:15→針テラス→大阪梅田16:50着

参加者 : 13名


<観察会概要>
 朝7:55予定より少し早く梅田をバスで出発。今回の観察会のリーダー担当から今日のコースについて詳しい説明があり、天気が不安定で雨も予想されるので場合によってはコースの変更も考えているとのアナウンスがあった。しかし、現地に着く頃には曇り空の合間から時折り日射しも見えはじめた。
 10:30に青山高原の山頂小屋駐車場に到着。予定通り奥山愛宕神社へ向かう。歩き始めてすぐに赤い鳥居があり、その先は緩い下りがつづくヒノキ林で、足元は苔に覆われたふかふかの山道。気温も25度(たぶん)くらいで時々涼しい風が吹き抜けて8月とは思えない快適さ。

しばらく歩くと目の前に巨大な風車が現れた。とにかく大きい!! みんな思わずスマホを手に風車を見上げてカシャ!しかも近くに何基もあるらしく、風車が回る不気味な金属音が木々の向こうのあちこちから聞こえてくる。辺りが暗かったらかなり怖いシチュエーションです。
 そこを抜けると、ブナの原生林が見えてきた。標高640mに群生していて、本州中部ブナ地帯の下限である海抜1000mよりはるかに低い地点に原生しているため三重県天然記念物文化財に指定されている。

 歩き始めて30分ほどで奥山愛宕神社に到着。この神社は古くから奥山権現の尊称で崇拝され、火伏せ、病気平癒、厄除け、眼病等の神として信仰されてきた。今回、山頂小屋駐車場から下るルートだったが、本来の参道は伊賀上津から約8kmの山道を標高差430mほど登るため、文字通り青山高原の奥山の崖の上にある秘境の神社です。

   イワタバコ         クサアジサイ

 
 お参りをすませた後、同じルートを戻ります。まさに「行きはよいよい帰りは...」で、長い登りの階段が続き、涼しい風が吹くにも関わらず、みんな汗だくになって山頂に到着。

 山頂小屋駐車場で昼食のあと、歩いて5分ほどのところにある二等三角点へ。眼下には伊賀平野が広がり360度のパノラマビュー。残念ながら伊勢湾はかすんで見えなかったけれど、目の前には圧巻の風車群。その前でみんな風車になって記念撮影。

 そのあと、再びバスに乗って三重県林業研究所へと向かった。昭和38年に森林・林業の再生、維持増進のための研究施設として発足。令和3年には普及・森林教育課が設置され、今年4月に、単に学びの場としてだけでなくアカデミーに関わる多様な人々が交流できSDGの達成に資する建物として「みえ森林・林業アカデミー棟」が完成。

 13時から研究員の西井孝文さんのガイドで施設を見学。

 概要説明を受けるために最初に案内されたアカデミー棟はエントランスに入った途端に木の香りが満ち溢れていて「わぁ〜!」とみんな感嘆の声。それだけでなく建物全体、細部までが「みえの木」で造られていて見応えたっぷり。三重県産の木材にこだわり、それぞれの木材の特性を活かし、端材や小径材も有効利用した天井や床、サッシ、ドアの取っ手、シェードなど、どれも木の魅力がいっぱい。

 そのあと「きのこ栽培試験場」では珍しいタモギタケやハナビラタケの栽培方法について説明を受けた。「樹木図鑑園」には約450種の樹木が植えられているそうで、案内板には「一冊の図鑑の中に集めたように実物の樹木を小さく仕立てて観察できるようにしている」と説明が書かれていた。「採種園」では花粉の少ないスギ苗木を育成していて、品質の良い種を作るため袋をかけてカメムシの害から守っている様子を見学。「木材加工棟」では木材の強度試験機などを見学し、最後は交流館で林業の歴史や森林の役割を学習できる展示室をみてまわり14:15に見学終了。

 心配した雨も降らず、午後からは青空も広がり青山高原の涼しさに癒やされました。そして、林業研究所では改めて森林の大切さや木材のもつ多様性などを学ぶことができ、とても有意義な観察会であったと思います。

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