観察会記録(2016年 12月度)

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新しい古道・山背古道ウォーキングPart2

観察日:平成28 年12月16日(金) 時間:6時間15分  天候:曇り後晴れ

コース:
南山城  JR木津駅→大智寺→泉橋寺→上狛茶問屋街 → 小林家住宅→椿井大塚山古墳→湧出宮→蟹満寺
           →高倉神社→橘諸兄公墓→玉津岡神社→自然休養林管理センター→高神社→JR山城多賀
参加者:19名

タイム:10:00JR木津駅→10:45泉橋寺→11:20小林家住宅→11:50椿井王塚山古墳(全体記念撮影)→12:20湧出宮
   →昼食→13:10JR棚倉駅スタート→13:30蟹満寺→高倉神社→14:30橘諸兄公旧址→14:55玉津岡神社
   →自然休養林管理センター→高神社
→16:15JR山城多賀駅にて解散
「観察会概要」

 本年3月の Part 1ではJR城陽駅から南下しJR山城青谷駅までの山背古道を歩いた。 Pa rt 2ではさらに南の木津川市のJR木津駅から井手町のJR山城多賀駅までの古道を散策した。
 寒風吹きすさぶ中、若き森林文化科員はJR木津駅から山背古道を北へと最終ゴール地のJR山城多賀駅に向け出発した。 はじめに訪れた大智寺本尊の文殊菩薩座像は 、行基が木津川に架けた橋の柱から刻みだしたものといわれてる。 木津川を渡ると何処からともなく茶の香りが漂ってきた。
 泉橋寺は行基により創建され、境内は日本一の石造地蔵菩薩坐像が鎮座していた。 当時の行基の活躍が偲ばれる。
 上狛茶問屋街周辺では茶畑見られず、 山城地域で摘まれた茶がこの地に運ばれ加工されて木津川・淀川を経て神戸港から海外へ輸出され、茶問屋として栄え現代に至っている。 現在では 30 〜40 軒の茶問屋が軒を連ね茶の焙煎の香りが漂い、街並みが保存され郷愁誘う地域だった 。
上狛茶問屋街町並み 椿井大塚山古墳から望む 道路の標識
 椿井大塚山古墳は3世紀後半につくられたという前方後円墳で石室内から三角縁神獣鏡が出土 したとの事だった。 古墳からは大阪方面を良く見渡せ、木津川や大阪府との境をなす山並みを一望できるポイントである。古墳を下りて涌出宮(わきでのみや)を訪ねた後、近くの公園で昼食を摂った。
午後からはJR棚倉駅をスタートし蟹満寺へ向かった。蟹満寺は今昔物語に出てくる「蟹の恩返し」の縁起によるものです。高倉神社への途中、クロガネモチ(?)の大木に出会った。 高倉神社に以仁王を祀っている御墓を訪ねた。 ご存知のように以仁王は平家物語に登場した後白河法皇の第二子である 。
管理竹林
クロガネモチ?の大木 竹林内の井出火山灰層
 川沿いの堤を竹林に沿って進んだ。このあたりの竹林はよく管理され、春にタケノコの産地となるようです。 橘諸兄 (たちばなの もろえ)公旧址の近くに竹林内に井出火山灰層が露呈していた。どこからの火山灰と話題になっていたので調べると、 150万年前、長野で起きた大規模な火山噴火による降灰が堆積したものらしい。



 小野小町塚を見て玉津岡神社へ向かった。 参詣道の途中に見事な樹形のしだれ桜や京都府指定天然記念物のしだれ桜があり春には見事な花を咲かせること思います。 次に高神社へと向かった。 途中、竹林内に樹皮が亀甲模様の竹がみられた。キッコウチクとの情報を得、調べるとモウソウチクの突然変異種らしい。

玉津岡神社参道のしだれ桜 キッコウチクの紋様
高神社の長い階段を上り休憩した後、一路JR山城多賀駅に向かい構内で解散となった。
橘諸兄公旧址にて 歩行距離は16 km

足跡マップ
三川合流から25 kmの標識
後記)

案内して頂いたNさん、あのややこしいルートを一度も間違わないで行かれたことに敬意を表します。お世話なりました。
それにしても階段の上り下りが多かったですね。 さすが、普段から鍛えられている科員の皆様はお元気です。