宿泊観察会記録(2014年度 10月度)
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く芦生の森原生林・由良川源流(京都)>
観察日:平成26年10月30日〜31日 天候:晴れ後曇 コース:JR園部駅バス〜美山〜京都大学芦生研究林 |
1日目:JR園部駅発バス(10:00)〜美山〜「芦生山の家」着(昼食) 講義 徳地先生(12:30〜13:20) 芦生研修林軌道散策(13:30〜16:15)山の家着 18時夕食 19時懇親会 2日目:山の家バス発8:30−ケヤキ峠9:00〜徒歩〜下谷〜長治谷 〜上谷途中(11:50)昼食〜杉尾峠(13:40)バス出発−(14:20 着)山の家(休憩) 芦生山の家バス発(14:50)−JR園田駅(15:50) |
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茅葺屋根の葺き替え |
@ 京都大学芦生研究林の紹介(フィールド科学教育研究所センター芦生研究林所長:徳地先生) 徳地先生から、芦生研究林の沿革、課題等の紹介。 1921年約4千haの森林を旧知井村から借りる(99年間)。当時から平成15年までは芦生演習林と 呼称。京都府北東部の位置にあり、滋賀県、福井県と接し、由良川の源流域である。約半分は天然林である。標高は355〜959mで丹波高地に見られる準平原地形をなす。事務所構内では年平均気温は11.7℃、年降水量2353mm。京都市内より3〜4℃低く、降水量は1.6 倍となっている。植生区分上の温暖帯林と冷温帯林の移行帯で植物の種類が多い。動物もツキノワグマ、オオタカをはじめと し貴重な種類が多い。 徳地先生の講義 → |
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今後の課題として@借地権の契約更新(99年目)A研究林を含めた周辺の国定公園化Bナラ枯れ、シカ害の問題 などの話があった。下草再生のためのネット張りのボランティアの要請もあった。 | ドイツトウヒの葉 |
A 1日目午後:芦生研究林トロッコ軌道散策 山の家〜廃村灰野〜刑部谷周辺〜山の家 |
秋晴れのもと、山の家から由良川の源流に沿ったトロッコの軌道を上流方向(南東)に観察をしながら散策した。澄んだ渓流と対岸の紅葉を眺めながら1時間半、廃村になった灰野の集落を通り刑部谷のあたりまで歩いた。そこから山の家まで日も傾き少し様子が変わった同じ道を戻る。 クサギの実→ |
オオバアサガラの群生 | 廃村灰野付近の橋 | 川面に映るモミジ | スッポンダケ |
入浴後6時から夕食、山の幸を味わいました。その後貸切のロビーで懇親会、植物の同定からローマ帝国など世界史やイスラ ム国などの話題までおしゃべりが弾みました。 |
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夕食風景 | 懇親会 |
B 2日目:植物樹木観察会(ガイド2名) 2日目は芦生原生林の上流部 (下谷〜上谷〜杉尾峠まで標高630〜800m付近)を2名のガイドさんの案内で散策。山の家から上部のけやき峠まで約30分バスで移動。バス内のガイドによると今年は例年より1〜2週間紅葉が早まっているとのこと。黄色に色づいているのは、ミズメ、イタヤカエデ、コシアブラ、タカノツメなど、オレンジから紅くなっているのはウリハダカエデなど。研究林内も相当ナラ枯れの被害も受けたが、今は下火になっており、シカの頭数も減ってきているらしい。けやき峠から2班に分かれてガイドさんによる案内。水辺近くの大きなトチノキの林では降水量が多く樹の幹に苔がたくさん生えていた。前日見たオオバアサガラの群生は野田原湿原にもあって、シカが食べないので近年繁殖したとの説明があった。 芦生天然杉やブナ林を見て、予定より10分遅れで目的地の杉尾峠に到着。峠からは日本海、小浜湾がうっすらと見えました。バスで宿舎に寄り休憩後園部まで帰りました。 |
トチノキの林:シカの害のため昔繁茂していた下草・笹などが皆無に。 | 大きなトチノキ | 大カツラ高さ85m | 長治谷作業所小屋 現在は使われていない。 |
野田原湿原 | 芦生天然杉 | カラマツ 信州から移植 |
岩谷付近で |
ブナ林を抜け最後の上り | 杉尾峠から遠く小浜湾を望む | ツチアケビ |