UP 2020.3.4 Utm
シニア自然大学校自然と環境科2020年2月施設見学
日本新薬山科植物資料館と漢字ミュージアム見学
本日の集合場所は京都地下鉄東山線「椥辻」改札口前。何と読むのかな? 幾度となく調べてやっと辿り着きました。
「日本新薬山科植物資料館」は、ここから徒歩約10分程のところです。
昭和9年回虫駆除薬サントニンを含有するミブヨモギの栽培試験圃場としてスタートし、その敷地面積は2,400坪。温室・ガラス室・見本園・樹木園・標本室・研究室等が設置されておりました。
午後からの漢字ミュージアムは、京都八坂神社前にリニューアルオープンした施設でしたが、いつも素どおりしておったところでした。
◆ スケジュール:
<10:00~10:40>
「セミナールームにて、山浦様に「日本新薬株式会社」創立・歴史についての概略を伺う。 1919(大正8)年にスタートし、創立100周年を迎えた新薬開発会社は、1927(昭 和2)年、サントニン含有植物の種子を入手したことにより、ミブヨモギ(フランスより) の栽培育種の研究がされ、回虫駆除薬国産サントニンを発売に到った経緯などを伺いました。
思い起こせば、子どもの頃の記憶に検便検査や虫下しを飲まされたことを忘れておりましたが、自分の子どもにはそんな経験が無くなっており、この回虫駆除薬にお世話になっていたことを知りました。
86年前「山科試験農場」として、国産サントニンを発売し、以来ここでは絶滅危惧種45種をはじめ、約3,000種を栽培しているのだそうです。
また植物由来の医療用医薬品や健康機能食品に含まれる植物の効用などを学びました。
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9:50日本新薬山科植物資料館正面到着 | 10:00山浦様にてレクチャー開始 |
<10:40~12:00>
3班に分かれ〈勝田様・八木様・山浦様〉のご案内で、大温室や見本園、ビオトープを見学。
温室では、
・ パンヤノキ:温室入口の幹に大きな径2~3㌢もあるトゲトゲの木。何のため?
・ ミラクルフルーツ:後で食べたものが甘くなる?レモンを甘く感じるのだそうです。
味覚を攪乱させるという不思議なくだものもありました。
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パンヤノキの前にて | ミラクルフルーツ(味覚を攪乱) |
・ キソウテンガイ(ナミブ砂漠に自生):一生の間にたった2枚の本葉だけを伸ばし続け、1年間に1㌢しか成長しないと云われているが、ここでは何と20㌢も成長しており、秘密の特効薬があるのでしょうか。
・ カカオノキ:大きな実(テニスボールをラグビーボール状につぶしたよう)を直接幹に数個つけておりました。チョコレートの原料です。小さな花も初めて見られました。
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カカオの木 | キソウテンガイ(雌雄異株。開花。) |
他、
・ ヒスイカズラ:日本ではとても珍しく植物園情報などで開花すると話題になるが、ここでは花が見られるとのこと。ヒスイ色の花が、名前の由来です。
・ パパイヤ:温室入口では大きな実が色づき、美味しそう。チャンプルや漬物などに利用され、用途が多大です。
・ インドボダイジュ:お釈迦様が悟りを開いたといわれる木です。(寒い所では育ちにくいといわれるが、兵庫医大の中庭には巨木が見られます。)
・ ビャクダン:雌雄異株の半寄生植物です。5月頃に咲くという花を見たい。
・ リュウキュウベンケイ:
・ コショウノキ:コショウの実の外皮を取り去り乾燥させたものがシロコショウ。 未熟なコショウの実を乾燥させたものがクロコショウでした。
・ 大麻:
・ レモンユーカリ:葉に柑橘系の良い香りがありました。
・ トンキンニッケイ(シナモン):葉は大きく細長く、三桁脈です。クスノキ科でした。
・ チョウジ:オールスパイスとして用いますが、複雑な香りです。
見本園では
・ セリバオウレン、フクジュソウ、ロウバイ等:春一番を告げており
・ シャクナゲモドキ(マンサク科):下向きの花序が満開。沢山の花をつけておりました。
・ モウシロカイ(ユリ科のアロエ仲間):絶滅の恐れのある野生動植物の国際取引に関する「ワシントン条約」の対象植物です。この季節に花が見られました。
・ 柑橘類:ユズ・キンカン・ハッサク・タチバナ他、何でもありました。
・ ムクロジ:冬空に沢山の実が残る。植物園でなければ、拾って持ち帰りたいです。
・ ハンカチノキ:園内ではひときわ大きな木に実が沢山。大きな白い花がゆらゆら咲いているところを想像するだけで、また訪れて見たくなりました。
・ ナギ:雌雄異株。実が沢山ついておりました。社寺林などでよく目にします。熊野速玉大社のご神木は、樹齢1,000年といわれるナギです。
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見本園にてクラムヨモギの説明を聞く | ミブヨモギ | |
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環境にやさしい素材コルクの木の前にて |
・ 特に一昨年の台風時には、カシ類の大木が折れたりして大きな被害を被ったようでした。
・ 世界各地から収集された3000種が植栽されており、珍しいものばかりで、ワクワクしながらの見学でした。中でも主役のミブヨモギは、すっかり冬枯れ状態ですが、展示用に保護されているものもあり、葉に触れたり香ったりと想像しながらの観察でした。
・ 何人もの方が園内で作業中でした。植栽場所を移動し連作障害などを防いだり、展示方法を変えたりと工夫されておりました。
3班は、大温室を中心に見たり、触れたり、香ったりと、五感を用いながら楽しませて貰いましたが、また別の時期に花や実の姿などを、じっくり観察させてほしいと願いました。
<12:00~12:30>
昼食:日本新薬山科資料館資料室にて。
集合写真後、地下鉄東山線「椥辻」➡「東山」に移動し、八坂神社前の漢字ミュージアム を目指しました。
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午後:「漢字ミュージアム」見学
<13:30~15:00>
入館後は自由に館内を見学しあいました。漢字のなりたちや、テンポにのって漢字を覚える方法を学んだり、ゲームで漢字にチャレンジ、パズルで漢字を学ぶ・・・などなど誰もが楽しんだり、学んだりできる場にリニューアルされておりました。
丁寧に読んだりチャレンジしたりしていると時間も足りず、あっという間に集合時間です。 15時、出口にて現地解散になりました。
≪写真/館内展示品一部紹介≫
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①漢字の歴史絵巻/年代別に成り立ちを紹介-1 | ②漢字の歴史絵巻/年代別に成り立ちを紹介-2 | |
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③過去の「今年の漢字」 | ④2019年「今年の漢字」 | |
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⑤王杖十簡・郭店楚簡などのレプリカを展示 |