UP 2017.10.16 kita
シニア自然大学校環境科2017年10月施設見学
JR北梅田地下駅新設工事見学
予 定
10:20~11:50 工事概要と周辺への環境対策等の説明(工事現場事務所)
12:00~13:30 昼食 各自駅周辺の食堂
13:30~14:30 地下工事現場見学(ヘルメット借着用)
12:00~13:30 昼食 各自駅周辺の食堂
13:30~14:30 地下工事現場見学(ヘルメット借着用)
うめきた1期地区は、2013年開業したグランフロント大阪として賑わっている。グランフロント大阪は今や年間来場者が約5,000万人と梅田の人の流れを変えた。
JR大阪駅北側の貨物駅跡地を再開発する「うめきた2期地区」(17ヘクタール)は、すでに4.5ヘクタールを都市公園として整備することが決まっている。現在は土地の暫定利用で、「うめきたガーデン」や大阪のど真ん中でバーベキューとグランピング体験ができる「ウメキタ!!!GLAMPING & RESORT」などが営業されている。
その1期地区と2期地区の境目で、この地区の基盤整備の一環で、JR東海道線支線地下化事業と新駅設置事業の工事が進んでいる。今日はその工事現場の見学で、梅田の歴史や環境の変化、工事の環境対策などを学ぶのが目的だ。
この事業はこれまで鉄道により分断されていた町を一体化し、踏切事故の解消や、交通の円滑化を図る目的で実施されている。これにより、地区と関西国際空港間の移動時間が短縮され、国際競争力の強化を図ることが期待されている。将来は地下鉄浪速筋線との接続、阪急電鉄の乗り入れなど興味深い計画が報道されている。
JR大阪駅北側の貨物駅跡地を再開発する「うめきた2期地区」(17ヘクタール)は、すでに4.5ヘクタールを都市公園として整備することが決まっている。現在は土地の暫定利用で、「うめきたガーデン」や大阪のど真ん中でバーベキューとグランピング体験ができる「ウメキタ!!!GLAMPING & RESORT」などが営業されている。
その1期地区と2期地区の境目で、この地区の基盤整備の一環で、JR東海道線支線地下化事業と新駅設置事業の工事が進んでいる。今日はその工事現場の見学で、梅田の歴史や環境の変化、工事の環境対策などを学ぶのが目的だ。
この事業はこれまで鉄道により分断されていた町を一体化し、踏切事故の解消や、交通の円滑化を図る目的で実施されている。これにより、地区と関西国際空港間の移動時間が短縮され、国際競争力の強化を図ることが期待されている。将来は地下鉄浪速筋線との接続、阪急電鉄の乗り入れなど興味深い計画が報道されている。
基盤整備事業概要![]() ![]() |
〇事業名称および事業主体
〈JR東海道線支線地下化事業〉
事業主体 大阪市
事業延長 JR東海道線支線 約2.4km
〈新駅設置事業〉
事業主体 西日本旅客鉄道株式会社
工事件名:東海道線視線駅部T新設他工事
工事場所:大阪府大阪市北区大深町地先
工 期:自平成28年9月
至平成35年3月31日(予定)
施工者:大鉄工業・清水建設特定建設共同企業体
事業主体 大阪市
事業延長 JR東海道線支線 約2.4km
〈新駅設置事業〉
事業主体 西日本旅客鉄道株式会社
工事件名:東海道線視線駅部T新設他工事
工事場所:大阪府大阪市北区大深町地先
工 期:自平成28年9月
至平成35年3月31日(予定)
施工者:大鉄工業・清水建設特定建設共同企業体
総延長2,4kmのうち、駅部240mを開削工法にて施工中の現場の見学である。連続土留はTRD工法で行い、土留支保工は切梁・腹起しにより掘削し、ボックスカルバートを構築する。駅はRC造地下二階の構造で、島式ホーム2面4線、ホーム長さ210m(10輌対応)で工期は平成35年3月31日が予定されている。
![]() ”丘”から工事現場をみる |
![]() 工事現場-JR大阪駅方面 |
![]() 工事現場-グランフロントをバックに |
![]() 工事現場-梅田スカイビルをバックに |
![]() 排水井戸 |
![]() 救護用担架も備える |
まず工事関係者の案内で地下掘削工事現場の見学だ。安全が確保された工事用桟橋を注意深く降り、地下安全通路をすすんだ。ミニユンボで掘削、集積し、クラムシェルバケットで地上に土を掬い上げていている。現在2段の土留め用切梁が架設され上下作業の視界は悪いが、合図の徹底と機器により、安全に作業が進められている。
![]() 地下の現場へ |
![]() 地下現場 |
![]() ミニユンボで掘削 |
![]() クラムシェルバケットで土砂を地上に |
![]() 貨物線の工事桁分割架設現場 |
![]() 工事桁分割架設の説明図 |
![]() 排出土砂を積んだ”丘”の上での集合写真 |
午後から現場事務所に再集合して、工事進捗の流れの説明があった。パワーポイントで説明が分かり易かった。興味ある見学なので、質問も多かったが、丁寧に答えていただいた。
![]() |
掘削工事進捗に伴い今後5段まで切梁が架設されるそうだ。土圧の強さが窺われる。切梁は従来H形鋼が使用されていたが、今回の工事では一部の切梁に一般構造用角形鋼管(ロール成形角形
鋼管)が採用されている。角型鋼管はH形鋼に比べ、断面性能が良く、座屈防止用材が少なくてすみ、省力化及び、地下の作業スペースの確保と作業視界の確保に役立っている。
![]() 現場事務所にて工事概要説明 |
![]() 切梁にはH形鋼 |
![]() 一部の切梁には角型鋼管 |
土留め壁はTRD工法を採用し、地中に建て込んだチェーンソー型のカッターポストをベースマシンと接続し、横方向に移動させて、溝の掘削と固化液の注入、位置土との混合・攪拌を地中に連続した壁が造成構築されている。H鋼の補強用芯材を建て込み、掘削時の土留め止水壁として肌を表している。見たところ漏水の兆候は見られなかった。
TRD工法と従来工法との比較図(三東工業社ホームページより参照図TRD工法写真1~8)
TRD工法と従来工法との比較図(三東工業社ホームページより参照図TRD工法写真1~8)
![]() 写真1 ベースマシン |
![]() 写真2 カッターポスト |
![]() 写真3 削除撹拌混合の機構 |
![]() 写真4 特徴1 |
![]() 写真5 特徴2 |
![]() 写真6 特徴3 |
![]() 写真7 特徴4 |
![]() 写真8 特徴5 |
掘削・土留工事中に周辺地盤への異常の発生有無は、目視の変状監視と多段式傾斜計、軸力計、層別沈下計、レベル計測などの計器によるリアルタイム計測管理を行い、安全確認を行っている。
この地区の土質は粘土質の軟弱地盤で、地下水位も高く、掘削土の取扱いは昔から難工事となっていたが、この現場ではほとんど湧水もなく、ドライ施工となっている。あらかじめ設置されたディープウエルで排水しているためだ。
本工事の最終掘削深度は最大18mということで、地下23~25m付近には第一天満層、33~36m付近に第二天満層があり、掘削に伴いそれぞれ被圧水位が-3.7~-2.5mもある。この揚圧力により掘削底の盤ぶくれにより山留崩壊事故の危険が予知される。その対策として自由水、被圧水兼用型のリリーフウエルという井戸も設置されている。リリーフウエルは地下36.5mの透水層の被圧地下水を4箇所から常時汲み上げ排水している。
汲み上げた水はリチャージウエルという2箇所の地下36.5m還元井戸に排水されている。公共下水への放流をなくするためだ。リチャージウエルは緊急時の坑内への注水にも使用できる。
掘削が完了する来春から、ボックスカルバートのコンクリート打設工事が始まる。コンクリート総量4万㎥を2年半かけて打設する。一台の生コン車には4㎥積載するので、実に一万台の生コン車が出入りすることになる。周辺の交通事情は常に混雑状態なので、支障を来さないよう細心の対策を講じているという説明があった。
この地区の土質は粘土質の軟弱地盤で、地下水位も高く、掘削土の取扱いは昔から難工事となっていたが、この現場ではほとんど湧水もなく、ドライ施工となっている。あらかじめ設置されたディープウエルで排水しているためだ。
本工事の最終掘削深度は最大18mということで、地下23~25m付近には第一天満層、33~36m付近に第二天満層があり、掘削に伴いそれぞれ被圧水位が-3.7~-2.5mもある。この揚圧力により掘削底の盤ぶくれにより山留崩壊事故の危険が予知される。その対策として自由水、被圧水兼用型のリリーフウエルという井戸も設置されている。リリーフウエルは地下36.5mの透水層の被圧地下水を4箇所から常時汲み上げ排水している。
汲み上げた水はリチャージウエルという2箇所の地下36.5m還元井戸に排水されている。公共下水への放流をなくするためだ。リチャージウエルは緊急時の坑内への注水にも使用できる。
掘削が完了する来春から、ボックスカルバートのコンクリート打設工事が始まる。コンクリート総量4万㎥を2年半かけて打設する。一台の生コン車には4㎥積載するので、実に一万台の生コン車が出入りすることになる。周辺の交通事情は常に混雑状態なので、支障を来さないよう細心の対策を講じているという説明があった。
梅田地区の明治維新以来の歴史についても説明があった。梅田は大阪城の外堀の外にあり、東海道線の大阪駅もそういう地理条件のなかで、田圃のなかに設置された。大阪駅設置と共に、梅田貨物駅が設置された。梅田貨物駅は堂島川からの運河の終点地で、周辺から船運で運ばれた物資を全国に配送する基地となった。大阪駅が梅田地区の発展の礎となり、その後時代とともに市街地化され、現在は大阪の中心地となった。
流通手段の変化により、梅田貨物駅は吹田に移転され、大阪の中心地に広大な敷地が開発地域となった。工事着工当初はまず山留杭の打設の障害物となる、運河の石垣の遺構撤去から始まった。敷地内には昔、お寺もあり、墓地もあったということだ。工事着工前に跡地で手厚い法要が営まれたという。
世間からは、男の職場と見られているが、女性の進出もめざましいらしい。帰り際に通路でで送ってくれた女性の現場監督さんの笑顔が素晴らしかった。
周辺の環境に配慮しながら、将来の街づくりの基盤整備工事に黙々と取り組んでいる頼もしい姿勢を感じた。道路付け替え工事に伴う下水道新設工事は、流通の基本である鉄道を止められない条件の中で、鉄道が休止するわずかな時間の隙間を縫った深夜作業で、工事を進めている現場の皆さんの熱意に敬意を表したい。
流通手段の変化により、梅田貨物駅は吹田に移転され、大阪の中心地に広大な敷地が開発地域となった。工事着工当初はまず山留杭の打設の障害物となる、運河の石垣の遺構撤去から始まった。敷地内には昔、お寺もあり、墓地もあったということだ。工事着工前に跡地で手厚い法要が営まれたという。
世間からは、男の職場と見られているが、女性の進出もめざましいらしい。帰り際に通路でで送ってくれた女性の現場監督さんの笑顔が素晴らしかった。
周辺の環境に配慮しながら、将来の街づくりの基盤整備工事に黙々と取り組んでいる頼もしい姿勢を感じた。道路付け替え工事に伴う下水道新設工事は、流通の基本である鉄道を止められない条件の中で、鉄道が休止するわずかな時間の隙間を縫った深夜作業で、工事を進めている現場の皆さんの熱意に敬意を表したい。
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全ての工事が完了するのはまだまだだいぶ先のことであるが、大阪の都市環境の未来を是非見てみたくなった。それまで健康長寿を達成したいなという思いが込み上げてきた。
最後に現場の所長さんの説明で、これから始まる他社施工の他工区ではJR環状線高架との近接作業があり、その苦労が偲ばれると、実感のこもった思いやりが感じられた。
最後に現場の所長さんの説明で、これから始まる他社施工の他工区ではJR環状線高架との近接作業があり、その苦労が偲ばれると、実感のこもった思いやりが感じられた。